精子を知ることこそ不妊に打ち勝つ最大ポイントだ!!!
妊活において精子に重要な役割があることは周知のことでしょう。
不妊の原因としても半分は男性に問題がありますので、女性も男性もお互いに協力し合って乗り切ってほしいと思います。
私も経験がありますが、食事や運動、サプリ、針灸などを組み合わせ、採精当日にクオリティの高い精子を目指しました。
結果、可能な限りレベルアップすることができました。
是非、多くの方が今一度精子を理解してほしいと思います。
まずは基礎からしっかり勉強していきましょう。
<精液の組成>
『男性の精巣、その他の副性器由来の分泌液』と教科書には書かれています。
難しいですね。
簡単にいうと精子(細胞成分)と精漿(液体成分)からなります。
精液の5%が精子で、95%は精漿です。
精巣で形成された精子が、精巣上体、精管を成熟しつつ輸送され、精巣膨大部に貯蔵されます。そして精嚢、前立腺、尿道からの分泌液が加わって精液となります。
<精子について>
精子は精巣内の精細管で作られます。
精祖細胞(精原細胞)の一部は有糸分裂を繰り返し、一次精母細胞となり、1回目の減数分裂により二次精母細胞(精娘細胞)となり、2回目の減数分裂により精子細胞を生み出し、精子細胞に鞭毛が生え、精子が完成します。
1個の精祖細胞から4つの精子が作られ、作られた精子は精巣上体で10億ほど溜め込むことが可能です。
精祖細胞から精子になりまで、セルトリ細胞から栄養を受けて成熟分化します。
このセルトリ細胞は脳下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の支配を受け、活動します。
健常成人男性では1日で約2億個の精子を作りますが、年齢とともに低下し、50歳以降では半分に減少します。
精巣で70日かけて、精子の元となる精原細胞から精子になるのです。
2ヶ月以上もかけて精子が出来上がるわけです。
<精子の寿命>
射精された精子の平均寿命は2日~3日、長くて1週間とされています。
卵子は12~36時間の寿命なので、それに比べると精子は長生き。
精子の受精可能な時間は36時間ほどですが、射精直後の精子は受精能力がなく、5~6時間後からとなっています。
卵管まで到達すると、そこに滞在し卵子を待つわけなのですが、排卵日当日にタイミングをとるよりも、排卵日2日前のほうが良いのはこのためです。
もちろん個体差はあるので、早く死んでしまう精子もいれば、長生きの精子もいます。
精子が完成するまで2ヶ月以上前からの体調や食事などの影響を受けます。
精子数については年齢、体調などによって変化します。
もちろん精子の質にも影響します。
正常な精子の量は、1ccの精液に6000万~8000万匹以上の数がいると正常値とされています。
一回の射精で約2cc~5ccの精液が出ると言われているので
通常、一回の射精で一日に作られる精子の数、もしくはそれ以上の数が出ていってしまうのです。
短期間に何回も射精すると精子の生産が間に合わず、精液に含まれる精子の数も自然と減っていきます。
精巣に精子が充満するまでに2日~3日かかると言われているのです。
射精後は、きちんと栄養をとり、睡眠を十分に取ることが大事です。
続いて、精子の構造も知っておきましょう。
なぜなら精子が何からでき、どういう動きをするのかを理解しないと、完全な形の精子を作れず、完全な動きを手にできません。
精子の頭の部分は遺伝子であるDNAを持ち、その下にはミトコンドリアを有します。
DNAは言うまでもなく、アデニン、グアニン、シトシン、チミンの塩基の集まりです。
遺伝子は設計図ですので、設計ミスがあると正しく成長することはできません。
ミトコンドリアは、エネルギーを作り出す工場です。
TCAサイクル、電子伝達系、β酸化などでエネルギーを作り出さなくてはならない、つまり走ることが前提であるということです。
精子の構造を知れば、精子の活動も知ることができますね。
ちなみに精子の頭にある核には遺伝情報があり、子供へと引き継がれていきますが、実はミトコンドリアにもDNAが含まれています。
しかし、父親のミトコンドリアDNAは子供に引き継がれず、母親のミトコンドリアDNAのみ引き継がれます。
なぜだ?
しかも他の動物でも同じように、父親のミトコンドリアDNAは排除されるシステムがあるようです。
進化の過程で父親のミトコンドリアDNAが不都合であるということなのでしょう。
ミトコンドリアDNAはミトコンドリアの設計図なので、エネルギー生成工場の設計図とも言えます。
つまり、太りやすい、痩せやすい、燃費が良い、燃費が悪いなどの生活習慣を遺伝するとも考えられます。
しかし、核のDNAは父親からしっかり引き継いでいるのでご安心を。
さて、本題に戻ります。
精子数を増やすにはどうしたら良いでしょうか?
・脳下垂体からのFSH分泌を促進すること
・セルトリ細胞が元気いっぱいであること
これらを実践するには『血行』が重要なカギを握ります。
FSHにしろ、栄養にしろ血液を使いますので、血行を良くすることが大切です。
また、10億も溜め込むことができる精子ですから、順次古い物から出していくことも大切です。
常に出しては作るを繰り返すことも精子数を増やすうえでは重要です。
<<精子数を上げるまとめ>>
・射精と生成を高頻度にすること
・血行促進して栄養を送ること
続いて活動に関してです。
精子と卵子の決定的な違いは、動けるかどうか。
精子には鞭毛と呼ばれる尻尾があります。
その尻尾がしっかりと動くかどうかがカギになります。
動くために、ミトコンドリアがあり、精液内に果糖があります。
では最初にすべきことは、ミトコンドリアを活性化することが大事です。
ミトコンドリアを活性化するには、いくつかのポイントがあります。
1.空腹により活性化する
2.寒さで活性化する
3.骨盤内の細胞レベルを上げる
4.中心部の筋トレ&柔軟
ミトコンドリアはエネルギーを作る場所ですので、使っていない人、不要な栄養ばかりを食べている人の場合、活動が低くなります。
たとえば、太っている男性は、ミトコンドリアの活性が低いことは容易に想定できます。
食事制限によってミトコンドリアを活性化することが大切だということです。
太り気味の方にはダイエットが必要なのは言うまでもありません。
精子が熱に弱いということは皆さんご存知かと思います。
最近は冷える男子も増えているようで、なんとも嘆かわしい現実があります。
そもそも男性は筋肉が多く、活動量も多いので、体温が高い。
よって体温を下げるべく、汗を多くかく、そして水分を多くとるのです。
冷えやすい男性は、筋肉量が少なく、活動量も少なく、体温も上げられない。
ミトコンドリアは工場ですので、ミトコンドリアが活性すれば体温を上げられるはずです。
冷えがあるから、代謝を上げたいからといって、温める行為はミトコンドリアの活性化から遠のき、さらに精子の劣化を招く最悪のケースに至ることを知らなくてはなりません。
精子は疲労の影響を受けてしまうのも特徴かもしれません。
精子はその人を表しているとうか、まさに鏡のような存在です。
元気があれば精子の活動が盛んで、疲れていれば精子もまた疲れているのです。
そこで疲労回復を図る必要があります。
疲労回復の基本は睡眠と食事であることはいうまでもありません。
精子に良い物をしっかり食べましょう。
成分でいえば亜鉛とタウリンはしっかりと。
さらに、やはり熱の影響は捨てきれません。
精子の適正温度は32℃から35℃といわれていますが、とにかく体温では暑すぎるということです。
できる限り精巣内の体温は下げたいですね。
長時間座りっぱなしだと、座面と太ももに挟まれて蒸し風呂になっている状態です。
お腹が出ている人の場合、さらに上から蓋をすることになるので完全なサウナ状態です。
精子の劣化は免れません。
男性はサウナや入浴も気を付けたほうが良いでしょう。
カイロをあてる、腹巻をする、ブリーフ・ボクサーパンツをはくなどの温める行為は避けましょう。
たまに行く温泉宿であればあまり気にしなくても大丈夫です。
あくまで日常的に行われることが問題です。
<<精子の活動量を上げるまとめ>>
・ミトコンドリアの活性化
・疲労回復と睡眠の充実
・クールダウン
銀のすずでは少しでもご不安を解消できるようカウンセリングもしっかりと行っております。